結論

住み替えの資金計画が狂う原因は、金額の見積もり違いより「項目の抜け」です。物件価格以外に発生する費用を、先に全部並べてください。

当てはまるのは、住み替えの資金計画を立てる段階の方すべてです。

例外:賃貸への住み替えの場合、購入側の費用は発生せず、代わりに敷金・礼金・仲介手数料・保証会社利用料が入ります。

この記事で扱わないこと

  • 各費用の金額の目安(後述のとおり、本記事は項目の網羅を目的としています)
  • 税額の計算や、控除制度の適用判断(税務署・税理士にご確認ください)
  • 特定の事業者の推奨

この記事の使い方

金額を埋めるのではなく、「自分に発生するかどうか」をまず判定してください。

各項目に「発生する/しない/不明」を付け、「不明」が残ったものだけを個別に調べます。この順序だと、調べる対象が大幅に絞れます。


1. 今の家を売るときの費用

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# 費目 発生条件 確認先
1 仲介手数料 仲介で売る場合(売買価格400万円超なら 価格×3%+6万円+消費税 が宅建業法上の上限) 不動産会社
2 印紙税 売買契約書に貼付 国税庁
3 抵当権抹消費用(登録免許税+司法書士報酬) ローンが残っている場合 司法書士
4 ローンの繰上返済手数料 金融機関による 借入先
5 測量費・境界確定費用 境界が未確定の場合 土地家屋調査士
6 建物解体費 更地で売る場合 解体業者
7 ハウスクリーニング費 必要に応じて 業者
8 家財・不用品の処分費 ほぼ必ず発生 自治体・処分業者
9 譲渡所得税・住民税 売却益が出た場合。かかるかどうか、いくらかは個別条件による 税務署・税理士

8番を過小に見積もる方が非常に多くいます。30年以上住んだ家の家財処分は、想像より費用も時間もかかります。

9番は、この記事では金額も適用条件も扱いません。必ず税務署または税理士に確認してください。


2. 次の家を買うときの費用

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# 費目 発生条件 確認先
10 物件価格 — —
11 仲介手数料 仲介で買う場合(上限は売却時と同じ計算式) 不動産会社
12 印紙税 売買契約書 国税庁
13 登録免許税(所有権移転) 必ず発生 法務局・司法書士
14 司法書士報酬 必ず発生 司法書士
15 不動産取得税 取得後に納税通知が来る 都道府県税事務所
16 固定資産税・都市計画税の精算金 引き渡し日で日割り精算 不動産会社
17 住宅ローン関連費用(事務手数料・保証料・印紙税・団信保険料) 借入をする場合 金融機関
18 火災保険・地震保険 ほぼ必ず 保険会社
19 管理費・修繕積立金の精算金 マンションの場合 不動産会社
20 修繕積立基金 新築マンションの場合 売主
21 リフォーム・改修費 中古を買って手を入れる場合 施工業者

15番の不動産取得税は、購入から数か月後に通知が来ます。引き渡し時点で支払いが終わったと思っていると、後から驚くことになります。忘れやすい費目の代表です。


3. 引越しと、その前後の費用

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# 費目 発生条件 備考
22 引越し費用 必ず発生 仮住まいを挟む場合は2回分
23 仮住まいの家賃・敷金礼金 売り先行で入居まで間が空く場合 期間が読めないと膨らむ
24 荷物の一時保管(トランクルーム) 仮住まいが手狭な場合 月額で発生
25 カーテン・照明・エアコン 新居のサイズに合わない場合 見落としやすい
26 家具・家電の買い替え 間取りが変わる場合
27 インターネット・電話の移転工事
28 各種住所変更に伴う費用 免許証・登記・保険・年金など 手数料は小さいが手間が大きい
29 新居のカギ交換・防犯対策 中古の場合

22〜24が、資金計画で最も抜けやすい区分です。特に売り先行を選んだ場合、仮住まいの期間が読めないと、23と24が想定の倍になることがあります。


4. 住み替え後、毎年かかるもの

一時費用だけでなく、継続費用も並べてください。住み替えの成否は、購入できるかより購入後に暮らせるかで決まります。

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住み替え先 継続してかかるもの
戸建て 固定資産税・都市計画税、火災保険、日常修繕、周期修繕の積立
マンション 固定資産税・都市計画税、火災保険、管理費・修繕積立金、駐車場代
賃貸 家賃、共益費、火災保険、更新料、保証会社の年間費用

マンションの管理費・修繕積立金は、将来値上がりする前提で計画されているのが通常です。現在額で試算すると不足します。

▶ 中古マンションの管理費・修繕積立金で確認すべきこと ▶ 住み替えの資金計画:売却代金・退職金・年金の組み立て方


チェックの進め方

  1. 上の29項目に「発生する/しない/不明」を付ける
  2. 「不明」の項目だけを、右列の確認先に問い合わせる
  3. 金額が分かったものから資金計画シートに入れる
  4. 税金の項目(9・15)は、必ず専門機関に確認する

▶ 住み替え資金計画シート(印刷できます・登録不要)

執筆者

河田邦昭かわた くにあき

1987年生まれ。千葉県で育ち、東京都を経て現在は神奈川県在住。戸建てとマンションの両方を購入し、県をまたぐ住み替えを2度経験しています。不動産・税務の資格は持っていません。

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