結論

内見で確認すべきことの半分は、建物の外にあります。物件の中だけを見て30分で帰ると、後から効いてくる要素を見落とします。

当てはまるのは、住み替え先の候補を実際に見に行く段階の方です。戸建て・マンションのどちらにも共通する項目を扱います。

例外:マンション特有の確認項目(管理組合の状態、共用部、修繕積立金)は別記事にまとめています。マンションを見る場合は、両方をお使いください。

▶ 老後に住みやすいマンションの条件12項目

この記事で扱わないこと

  • 特定の物件・エリアの評価
  • 価格の妥当性判断
  • 建物の構造上の欠陥の診断(専門的な調査が必要な場合は、住宅診断(インスペクション)の利用を検討してください)

内見の前に決めておくこと

時間の使い方を先に決めてください。

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配分 内容
30分 物件に着く前(最寄り駅・バス停から歩く、周辺を回る)
40分 物件の中
20分 物件を出てから(買い物・医療施設の場所を確認)

1つ目を飛ばさないでください。不動産会社の車で現地に直行すると、周辺環境がまったく分かりません。


写真スロット

駅やバス停から住宅地へ向かう歩道の写真。坂があるとなお良い。

src/img/photos/ekikara-michi.jpg

駅から物件までの道。地図では分からない勾配と歩道の有無を、実際に歩いて確かめます。

A. 物件に着くまで(1〜6)

1. 最寄り駅・バス停から、実際に歩く

時間ではなく、歩いた実感で判断します。平坦に見える道が、実際には上り坂であることがあります。

2. 道の状態

  • 歩道があるか
  • 信号待ちの回数
  • 街灯の間隔(夜に歩けるか)
  • 途中に座れる場所があるか

3. バス停の時刻表を、実際に見る

本数と最終時刻を確認します。「バス停まで徒歩3分」という情報だけでは、1日3本かもしれません。

4. スーパー・薬局までの距離と、帰りの荷物

行きではなく帰りを想像してください。荷物を持って歩ける距離かどうかが基準です。

5. 周辺の建物と、将来の変化

  • 隣地が空き地・駐車場でないか(将来建物が建つ可能性があります)
  • 近くに工事の予定がないか
  • 周辺に空き家が目立たないか

6. 夜と休日にも来てみる

平日昼間の1回だけでは分かりません。夜の暗さ、休日の人通り、周辺の音は時間帯で変わります。

最終候補まで絞ったら、必ず時間帯を変えて再訪してください。


B. 建物の中(7〜15)

7. 玄関から各部屋までの動線

寝室・トイレ・浴室の位置関係を確認します。特に、夜間にトイレへ行く動線。

8. 段差の有無

玄関、部屋の出入口、浴室、ベランダ。

9. 廊下と出入口の幅

将来、手すりを付けたり車椅子を使ったりする場合の余裕があるか。

10. 浴室

  • 浴槽の深さと、またぐ高さ
  • 洗い場の広さ
  • 手すりを付けられるか
  • 換気と、窓の有無

11. トイレ

  • 広さ(介助が必要になったときに人が入れるか)
  • 手すりの設置可否

12. 収納の量

今の家から持っていく荷物が入るか。内見時にメジャーを持参して、主要な収納を測ってください。

13. 日当たりと、窓の向き

内見の時間帯によって印象が変わります。南向きでも、隣の建物で日が入らないことがあります。

14. 窓の断熱と、室温

窓が単板ガラスか複層ガラスか。古い建物では、冬の寒さが生活の質を大きく左右します。

15. コンセントの位置と数

見落とされやすい項目です。家具の配置が決まらない原因になります。


C. 設備と状態(16〜18)

16. 給湯器の設置年

本体に製造年のシールが貼ってあります。古ければ、入居後まもなく交換が必要になります。

17. 水回りの状態

  • 蛇口をひねって水圧を確認
  • 排水の流れ
  • シンク下・洗面台下の湿気やカビ

18. 中古の場合、修繕履歴

外壁・屋根・給湯器・水回りが、いつ更新されたか。売主または仲介会社に確認します。記録がない場合、未実施として想定してください。


D. 物件を出てから(19〜20)

19. 医療機関の場所と、通える手段

  • かかりつけにできる診療所
  • 総合病院までの距離と、公共交通で行けるか

▶ かかりつけ医と病院へのアクセスを、住み替え前にどう確認するか

20. 人と会う機会があるか

利便性だけで選ぶと、後から効いてくる項目です。

  • 徒歩圏に、日常的に立ち寄れる場所があるか
  • 地域の活動やサークルがあるか
  • 今の人間関係を維持できる距離か

内見チェックリスト(印刷用)

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# 確認項目 物件A 物件B 物件C
1 駅・バス停から実際に歩いた □ □ □
2 道の状態(歩道・街灯・坂) □ □ □
3 バスの本数と最終時刻を見た □ □ □
4 買い物の帰りに歩ける距離 □ □ □
5 隣地・周辺の将来の変化 □ □ □
6 時間帯を変えて再訪した □ □ □
7 寝室・トイレ・浴室の動線 □ □ □
8 段差の有無 □ □ □
9 廊下・出入口の幅 □ □ □
10 浴室(深さ・手すり・換気) □ □ □
11 トイレの広さ □ □ □
12 収納を測った □ □ □
13 日当たり □ □ □
14 窓の断熱仕様 □ □ □
15 コンセントの位置と数 □ □ □
16 給湯器の設置年 □ □ □
17 水圧・排水・湿気 □ □ □
18 修繕履歴を確認した □ □ □
19 医療機関の場所と交通手段 □ □ □
20 人と会う機会があるか □ □ □

持ち物:メジャー、この用紙、方位が分かるもの、カメラ

▶ 老後に住みやすいマンションの条件12項目 ▶ 車を手放しても暮らせる家の条件 ▶ 住み替えで後悔した7つのケースと回避策

執筆者

河田邦昭かわた くにあき

1987年生まれ。千葉県で育ち、東京都を経て現在は神奈川県在住。戸建てとマンションの両方を購入し、県をまたぐ住み替えを2度経験しています。不動産・税務の資格は持っていません。

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